私は産経新聞を購読しているような若干保守側ですが、安保法案には反対です。
なぜ、反対なのか?
本来、保守というものは、原則や手続きを重んじるものなのではないのでしょうか?
そもそも、銃を携帯した自衛隊を外に出したいのなら、憲法を改正して自衛隊を軍隊にしないといけない。国際貢献と言うのなら、公務員を海外に派遣するのではなく、軍隊を派遣させるべきです。
しかし、この法案が通ることによって、自衛隊が自衛隊のまま海外に出ることになるのです。後方支援と言っても戦地に銃を持って出かけるのです。そして、兵隊でない自衛隊員はジュネーブ条約で保護されないかもしれない。それで良いのでしょうか?
そもそも、この法案を通してしまえば、憲法はただの飾りとなるのです。本来かえるべき憲法9条を変える必要が無くなったわけなのだから、合ってもなくてもいい、ただの飾りです。
憲法9条は改正するべきものです。危険な民族とされた日本を縛るものでしかないのです。押し付けられた憲法なのだからと、原理原則を無視する行為は愚かです。
他国が攻めてくる?中国脅威論?
「アメリカとの同盟を強化すれば安全だ」では、お花畑すぎる。
まず、テロでない限り、日本に対して他国が軍事力を行使するという時は、アメリカや国連の介入が無いと踏んだ時だけだ。現在すぐにそんなことは無さそうだが、仮にあった時には単独防衛する力は必要です。
ただ、敗戦国ニッポンは、単独防衛が可能な期間は2、3ヶ月しかないでしょう。武器弾薬、燃料は大量に保有していない。最大の抑止力の核も持っていない。
だから、アメリカに頼るという人達もいるが、アメリカだって自分たちの国益にならない戦争はしない。中東でのドンパチに付き合わされたあげく、日本の危機にアメリカは手の平を返すかもしれない。
この法案で、南シナ海のサンゴ礁埋め立てがなくなるとでも?
そもそも、中国は攻めてくるのか?
侵略はしてこないだろうけど、軍事力を最大限につかって、中国に有利な交渉をしてくる時はあるのではないか。まあ、親分がアメリカから中国に代わるだけなのかもしれないが、アメリカより質の悪いジャイアンでしょう。
中国は内部崩壊しないかぎり、朝貢外交を目指して覇権国家になろうとするでしょう。歴史的にそうだし、地政学的な人の性質なのかもしれない。
ただ、こういった圧力に対して、日本はアメリカを巻きこみ他の東アジア諸国と団結する必要があります。しかし、アメリカに協力しておけば、助けてくれるわけではないのです。
日本はまともな防衛力を持てないのか?
まず、強力な防衛力を持つことをアメリカが許さないでしょう。同盟国として、コマとして、動いてくれるのなら、その範囲で許可してくれる。だからこそ、中東まで行ける法案を通す。本当にそれでいいのでしょうか?
アメリカの犬でいいのでしょうか?
そもそも、そんなんで防衛力は高まるのでしょうか? 同盟の条件に、相手国の軍事基地を用意する必要性があるのでしょうか? この国はとっとと憲法を改正して、自衛隊を軍にし全ての基地を日本に戻す。そこにアメリカ軍の駐留を認めるぐらいにしないといけない。
そもそも安保の議論は不毛だった
法案を出した自民党も「正義」で出していたし、反対しや野党も「正義」で反対した。お互いに自分たちの論理での「正義」でしかなかった。
お互い正義なので、相容れない。そもそも、議論にならないのです。
これは、明らかに先に法案を出したほうに問題があるように思う。
野党だって、内容に良いものも含まれているのは解っている。
しかし、だからといって全てに賛成せよというのはやり過ぎではないでしょうか?
今後のシナリオ
さて、「こんなはずではなかった・・・」というような自民党や公明党の議員が出てくるのかな? まともに内容を把握していないで賛成と叫んでいた議員も確実にいるので。
しかし、民衆なんて結局「お金」です。今後、景気が上がれば、自民党にまた投票するのでしょう。その為にかなりヤバイ金融緩和も実行し、年金積立金が尽きるまで日本株を買い支えるのではないでしょうか?
なんか、嫌な方向に進む気がします。
国際社会も全ては「お金」です。難民問題も結局「お金」の問題になっている。アメリカの軍事的な要求も結局は「お金」です。価値観が目先の「お金」でしかない、「お金」至上主義の社会で、我々は何を価値観に生きていくのか?